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試験に出るよ! まるわかり「同性愛殺人」(1)

2007年11月20日 21:23 ミヤマアキラ
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すでにご存知のかたも多いと思うが、2005年3月、同居人の鈴木友幸さんを殺害した前田優香の件である。かのじょは約2年間にわたる逃亡生活の末、07年3月25日に逮捕され、先月22日の公判で懲役15年の実刑判決を受けた。なかには詳細にウォッチングしているかたもいるようだが、肝心の(とわたしは思うのだが)レズビアン・メディア(主にブログなど)ではほとんど語られていない。

 

ならば、デルタGが事件の流れをある程度整理してみなさまにお伝えするとともに、この事件からどんな事柄が見えてくるかを考察してみたい。情報ソースは主にネットである。二次、三次情報に基づいているため、屋上屋を積み重ねるようなものかもしれないが、二次情報だからといって言及する意味がないとは思わない。むしろ、なんらかのバイアスを通して二次情報化されているはずである。どうしたって一時情報にはアクセスしようがないため、この場につづるのも二次情報、三次情報にすぎないのだが、すでにある二次情報の方向性にはしたがわず、むしろ既存の情報を検討し直しつつ、別方向のベクトルを模索してみたい。


●「スキャンダル」という壁

前田は銀座のホステス時代から新宿2丁目のゲイタウンによく通っており、一部ではよく知られた人物だった。2丁目界隈で前田と実際に会ったことのあるかたがたの話によると、決して印象はよくなかったという。もともと前田を知るひとたちのあいだでは、この事件が報道された当時からゴシップ的な話題として取り上げられていた。

 

ミヤマがこの事件を知ったのは06年の夏ごろだったと記憶している。たまたま飲みに行った2丁目のとあるバーで、この事件の話が持ち上がった。事件後、刑事や新聞雑誌記者たちがその店にも聞き込みにきていたというのである。そのときのミヤマにはなんのことやらピンとこなかったが、今年3月の逮捕報道を知って、ああ、あの事件のことだったのかと認識をあらたにした。

 

この事件は、紙媒体でも電子媒体でも三面記事的に取り上げられるばかりであり、ミヤマの身近でもスキャンダル・ニュースとして面白半分に語られるのが関の山であった。そのため、ミヤマ自身もこの事件には深い関心を抱かなかった。スキャンダルに飛びつく野次馬スピリットにはどうやら欠けているらしい(<ライターとしてどうなの?)。

 

冒頭に、「ご存知のかたも多いと思う」と書いたが、そのわりには、レズビアン当事者の運営するサイトやブログをいくつか追っていっても、この事件に言及するエントリはほとんど見つからない(わたしが知らないだけかもしれないので、ご存知のかたがいらっしゃったらぜひDG@delta-g.orgまでお知らせください)。レズビアンのイメージダウンにつながるのを怖れてあえて語らないのだろうか。あるいは、スキャンダラスな取り上げられかたによって、知らず知らずのうちに、「自分には関係ない他人事」「スキャンダルには興味ないし取り上げる意味もない」と、あらかじめ遠ざけられてしてしまっているのだろうか(ミヤマの場合は後者にあたるかも)。

 

 

●紙媒体と電子媒体の落差がはらむ意味

が、しかし、先月22日の判決報道を受け、この事件をデルタGで取り上げるかどうか、取り上げるとすればどのような切り口で取り上げるかを検討するため、編集会議を行なった。そのときあらためて当事件に関する資料を検索してみたところ、ネットのニュースでは「同性愛殺人」という見出しが目立った。代表的なものは以下の通り。

 

同性愛殺人で懲役15年判決 2年逃亡の女に東京地裁(共同通信/東京新聞)

前田被告に懲役15年=同性愛関係の女性殺害−東京地裁(時事通信)

同性愛殺人の前田優香被告に懲役15年判決(産經新聞)

2年逃亡の女に懲役15年−品川の同性愛殺人(サンスポ)

同性愛殺人に懲役15年(日刊スポーツ)

同性愛殺人、逃亡女性が交際相手の殺害を認める(バディ)

13の偽名で逃亡750日〉レズ殺人「優香」が語った「プロ野球選手との不倫、元オールナイターズ」(週刊文春04/05日号目次)

 

週刊文春のみならず、検索でヒットした各ブログのエントリの見出しにいたっては「レズ殺人」である。しかし、日経・朝日・毎日・読売などの大手新聞報道では、いずれも「同居女性殺害」とニュートラルな表現になっている。

 

この件に関して、ミヤマは言葉狩りをしたいわけではないが、紙媒体と電子媒体でこうまで事件の見出しが異なる現状に首を傾げざるをえない。大手メディアの報道にしても、事実関係が不明なため「ニュートラル」を心がけた慎重な表現なのか、あるいは「同性愛」「レズビアン」が報道上ふさわしくない表現として回避した結果なのかもわからない。

 

 

●前田被告「自分は同性愛者ではない」

この事件について、ネット上で閲覧できる資料を紹介しておく。

 

前田優香「西五反田女性刺殺事件」(MEPHIST

前田優香「西五反田女性刺殺事件」・裁判(MEPHIST

前田優香「西五反田女性刺殺事件」・裁判(2)(MEPHIST

 

上記ブログ記事は、主にマスメディア報道を転載・抜粋したものと思われる。事件発生から判決公判までの一連の流れがまとまっている。事件の概要を知りたいかたは、まずこちらを一読されたし。

 

下記は、9月と10月の公判についてのレポート集。

 

検察側冒頭陳述(裁判ニュース:イザ!)

霞っ子クラブの裁判傍聴記(1)

霞っ子クラブの裁判傍聴記(2)

前田優香被告の判決要旨(MSN産経ニュース)

 

「イザ!」と「霞っ子クラブ」の記事は、9月3日に東京地裁で行なわれた初公判に関するものである。どちらも検察側の冒頭陳述として、「(被害者の鈴木さんと前田被告が)平成16(2004)年7月ごろから同性愛関係になった」と記述している。陳述をおこなった検察官が実際に「同性愛関係」という表現を使ったのだろうと思われる。

 

けれども、1022日の判決公判について報道した「MSN産経ニュース」では、「被告人にとって同姓(原文ママ)との交際は初めてであり、しかも自らは同性愛者ではないとの思いもあって、違和感や不満が募っていたという背景があった」と記載されている。

 

この件については、事件以前の前田を知るかたの証言がある。2丁目での行きつけの店は主にゲイバーであり、なじみの客に連れられてレディースバーへ足を運んだことはあるが、同性を性愛の対象としているようではなかったという。

 

つづく>

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