有機野菜で勇気をいただく

その日は朝からしんしんと雪が降り、午後からは冷たい雨に変わったのでした。仕事先に傘を忘れ、メガネを雨で濡らし、凍えながら見知らぬ街をさまよい歩きました。夕方6時をすぎたばかりなのにあたりは暗く、お腹もすいていたため心細さでいっぱいでした。
表通りから一本内側に入り、ゆるやかな坂道をのぼっていくと、暖かな明かりのともる一軒のカフェがありました。その名も「赤坂ファンソン・カフェ」。思わずそのドアを開きました。
というわけで、今回は「赤坂ファンソン・カフェ」さんの取材レポートです。
●早く行けばよかった……。
ファンソン・カフェは2005年10月オープン。ミヤマは間もなくこのカフェの存在を知ることになります。オーナー・フジモトマミさんが、パートナーの笹野みちるさんとはじめたカフェとのことで、当初から評判でした。
食いしん坊なミヤマは、オーガニック食材のみを使用したマクロビ(マクロビオティック)系メニューたちにたいへん心を奪われたものです。が、赤坂近辺はまったくテリトリーではなかったし(いまでもテリトリーではありません)、日々の雑事に追われつづけ、結局行かずじまいのまま。
ところが。
はたと気づきました。行きたいお店はデルタGの取材とからめて行けばいいんじゃん、と(もっと早くに気づけよ>自分)。残念ながら、笹野さんとフジモトさんは昨年秋にパートナーシップを解消し、笹野さんはシェフを辞めてしまいましたが、リニューアルオープンをはたしたファンソン・カフェは健在です。
●オーガニックワイン最高!
最初にいただいたのは、チリ産のオーガニックワイン「コノスル」の赤、フルボディ。んまい! 一口含んだワインの味が口のなかでさまざまに変化します。ワインに限らず、この「お酒が生きてる感じ」がミヤマはたまらなく好きです。コノスルにはオーガニックじゃないものもありますが、ラベルに自転車のイラストがついているものはオーガニックの印(かわいい!)。カマンベールチーズも濃厚で美味でした。
酒呑みのミヤマにとってワインのアルコール度数なんて屁でもないんですが、そのへんの赤ワインを適当に飲むとたいてい頭皮の血管がドクドク鳴りだして頭痛にいたり、体調が悪いときには目眩や吐き気がしてグロッキーになってしまいます。赤ワインに多く含まれているヒスタミンには血管を拡張する働きがあり、頭痛がするのはそのためだともいわれますが、オーガニックの赤ワインを飲むぶんには頭痛はまったく起こりません。一般のワインは瓶詰めの際に酸化防止剤(亜硫酸塩)を添加していますし、コノスルのオーガニックにも添加表示があるのですが、もしかすると一般のものより添加量が少ないのかもしれません。
●ワインのお供のおつまみたち
まずは「エビチリ豆腐だんご」。豆腐メインのエビだんごにエビチリソースがかかったもの。おだんごそのものはあっさりしていますが、ソースとの相性が抜群。
お次は「有機オータムポエムのマヨネーズ添え」。「オータムポエムってなに?」と、まずはネーミングが謎でしたが、これは「アスパラ菜」とも呼ばれる花菜。茎の部分はアスパラの食感や風味に似ています。亜寒帯出身のミヤマは「苦味のないふきのとうだな」と思いましたが、同行したカメラマンは「菜の花に似ている」と。いずれにせよ、春の到来を感じさせるお野菜です。
ミヤマはさほどマヨネーズは好きじゃないんですが、ここで出されたマヨはまろやかで激ウマでした。カメラマンはお皿を舐めつくす勢いで、残ったマヨを味わっていました。「このマヨは手作りなんですか? どこかのメーカーのマヨなんですか?」との質問に、オーナー兼シェフのマミさんはにっこり笑って「秘密です」。
3品目は「ファンソン餃子」。金華豚・三元豚で有名な平田牧場の豚肉と野菜がたっぷりはいったモチモチでカリカリの餃子。餃子もさることながらタレも格別。口のなかに香ばしい匂いがふわっと広がって鼻に抜けていきます。ピーナッツ、山椒、黒酢、ラー油などを合わせて漬けこんだオリジナルのタレで、
ラー油そのものが複雑で重層的なお味のものなんだそうです。餃子を食べつくした後も、ミヤマはこのタレをチビチビ舐めてました。美味!
●いよいよメインディッシュ、そしてデザート!
「酵素玄米&野菜スープセット」。初めて酵素玄米を食べましたが、めちゃうま! 柔らかくてモチモチしてるし、ご飯そのものに味があって、おかずなしでもぜんぜんOK。よ〜し、パパ、長岡式酵素玄米の講習会に行っちゃうぞ〜。野菜スープは大豆使用とのことで、見た目はお味噌汁みたいなんですが、飲んでみるとコショウが効いたコンソメ系(?)スープ。大豆のまめまめしいお姿はどこにも見当たらず。じつに不思議なスープでした。
(*マミさんに確認したところ、「煎り大豆でだしをとり、豆乳をミックスした野菜スープ。大豆の粒もちょこっと入っていたのですよ。スープもカレーも、なんですが、その日入っている有機野菜によって、味が変わります。あ、味噌は入ってないです。大豆以外にも昆布だしとかも入ってますが、動物性のものは使ってません」とのことでした。ありがとうございます!)
もうひとつは「奄美(あまみ)カレー」。酵素玄米の山のそばに黒々としたルーの海が横たわり、ブロッコリ、里芋、ニンジンなどの野菜の島が群をなしてたたずんでいます。そしてソイミートのフライをトッピング。奄美のウコンを使用しており、カレーの既成概念を根底からくつがえす逸品でした。スパイシーでしかも酸味が効いています。この酸味はトマトジュースや野菜ジュースの酸味とのこと。レシピはもちろん企業秘密ですが、笹野さんがつくったレシピだそうで、現在もそのレシピを受け継いでいます。サラダに添えられたオレンジ色のドレッシングは、ファンソン特製ニンジン・ドレッシング。これもめちゃめちゃんまかったです。
マミさんいわく、笹野さんは音楽だけでなく料理に関しても天才的なアイディアをお持ちで、
「何を入れたらいいか、後ろの人が教えてくれる(笑)」
と語っていたそうです。
デザートにいただいたのは、「NYチーズケーキ」と「有機豆乳の白ごまプリン メープルシロップがけ」。NYチーズケーキはファンソンカフェで人気の定番スウィーツ。甘すぎず酸っぱすぎず、濃厚なのに後味はさっぱりしていて飽きのこない味です。ミヤマは白ごまプリンをお気に入りに登録。豆乳ブラマンジェは個人的にちょくちょくつくっていましたが、そこにごま豆腐的な濃厚さとねっとり感がプラスされるともう最強ノックアウト。シナモンの香りもステキなアクセントになっています。中心に添えられた酵素玄米の小豆の粒が乳首のようでラブリー。
●ファンソン・カフェ面白エピソード

こだわりのオーガニック食材を集結させて美味しい料理の数々を披露してくださったマミさんですが、 カフェをオープンするまで、特別に料理を習ったり勉強したりしたことはなかったそうです。しかし、マクロビやオーガニックに関心を持ちはじめたのは中学生のころからで、ミュージシャンを生業にしながらも肉食やタバコにはあまり縁がない健康生活。こだわりは食材だけではなく、お店で出している紙ナフキンはケナフ製のものだし、トイレにあった掃除用洗剤がパックスナチュロンだったのをミヤマは見逃しませんでした。
ファンソン・カフェをひらく以前、その店舗はご近所のかたがたが集う 「カラオケ風喫茶(なんだそりゃ? って感じですが、日中のみ営業だったとのこと)」 でした。内装の壁面は100年以上昔のオランダの石をブロック状に重ねたもので、前のオーナーさんの好みをいまもそのまま活かしています。開業当時は、お客さんたちから「禁煙でカフェの営業はつづかない」とよく言われていたそうですが、いまや禁煙のカフェやレストランは珍しくありませんね。愛煙家には少々辛いかもしれませんが、お店の外で一服すれば問題なし。
「開業当時、近所に住むお客さんで面白いひとがいました。カレーを注文するんだけど、うちのカレーは肉を一切使用せず野菜しかはいっていないのに、『野菜を抜いてくれ』って言うんです(笑)。それで、ルーだけのカレーを出していました。ほかにも、オーガニックやマクロビ系となると、ヒーリングや超常現象フリークと若干リンクしているせいか、それ系のグループが予約してお店にきました。そのなかのリーダー格っぽいひとが、メニューをひらいてダウジングしてるんです。ダウジングの結果選んだ料理は、うちの店ではマクロビ的にはいちばん良くないものでした(笑)」(マミさん談)
●お店もマミさんも「L大歓迎」!
カフェの面白エピソードをいろいろ語ってくださったマミさんは、現在恋人募集中。好みのタイプをお聞きしたところ、「好みのタイプというのはないのですが、タバコも吸わないし、お肉もあんまり食べないので、肉食のスモーカーさんとお付き合いするのは難しいかもしれませんね」 。
C-POP(中華系ポップミュージック)好きでもあるマミさんが現在もっともご執心なのが、シンガポール出身の歌手・蔡健雅(ターニャ・チュア)。2007年10月リリースのニューアルバム『
Goodbye & Hello
』には、「インターネットで知り合った男性との恋を失い、かなり落ち込んでいた3ヶ月の間に作った曲が6曲も」収録されています。マミさんは、「インターネットで知り合った」という部分に引っかかりを感じ、「ネットで知り合う?
こんな大スターのアーティストがネットで知り合って恋愛するなんてありえない! 『男性』というのはカモフラージュに違いない!」と、「ターニャ・チュア“L疑惑”」を提唱しています。そして、「ターニャなら肉大好きでも付き合います!」との自己矛盾を起こしています(笑)。
ドリンクメニューのなかには「ファンソン・カフェ オリジナル・カクテル」なるものがありまして、『月の瞳』『GO FISH』『チャングム』など、L系のみなさまにとってはどこかで聞き覚えのあるネーミングのものが。このようにL大歓迎なカフェですから、オフ会やパーティなどに活用してはいかがでしょうか。特に中華系女子好きには超オススメです。店内の大画面モニターと波動スピーカーでC-POPを存分に堪能できますよ〜。ご予算は応相談。詳細は赤坂ファンソンカフェ公式サイトにて(連絡先は「地図etc」カテゴリに記載)。
***
赤坂はテリトリーじゃないからと、ミヤマはなかなか行く機会を持てなかったファンソンカフェですが、こんなに美味しくて楽しいお店なら、テリトリーじゃなくても、このカフェだけを目的に行ってもお釣りがくるほど充分満喫できます。六本木の東京ミッドタウンからも徒歩数分圏内です。
そして後日談。取材に同行したカメラマンは、ファンソンカフェを後にしてから一晩中、全身がカッカと熱くなってしかたなかったとか。体脂肪率約15%(推定)なので、ひごろは寒い寒いと騒ぎ立てる冷え性系のひとなだけに、「あんなに身体が熱くなったのは初めて」。熱いと言っても媚薬系の熱さではありません(たぶん)。
ミヤマはといえば、赤ワインをフルボディでいただいても平常と変わらなかったことにまず驚き。第二の驚きは、翌朝トイレで用を足したとき、脚のあいだから番茶のような芳ばしい香りがほんのりとしたこと。気のせいではないと思います、ええ。
【お店情報】
赤坂FANGSONG CAFE (http://fangsongcafe.com/)
107-0052 東京都港区赤坂6-10-39 ソフトタウン赤坂1F
tel & fax 03-3585-5587(さあゴハン GoGoGo ハオチー)
<営業時間>
平日:ランチ 11:30〜15:00 (L.O. 14:30)
:ディナー&バー 17:30〜21:30 (Food L.O. 20:30)
土 :ファンソン・バー 18:00〜22:30 (Food L.O. 21:30)
【CD情報】
お話の中に出てきた人はコチラ。
蔡健雅(ターニャ・チュア)
シンガポール出身の女性シンガーソングライター。
1975年生れ、英語表記はTanya Chua。北京語、英語、インドネシア語を話す。
リリースされたCDはこちら蔡健雅(ターニャ・チュア)
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 有機野菜で勇気をいただく
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.delta-g.org/mt/mt-tb.cgi/175





















コメントする