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戦艦ポチョムキン

2008年3月14日 21:00 いぬ
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[いぬのえいがひょう] vol.022

戦艦ポチョムキン (1925) Броненосец Лотемкйн


物資不足による劣悪な食事への不満をきっかけに、戦艦ポチョムキン号の水兵たちがストライキを起こす。

戦艦がオデッサ港へ寄航した際、ストライキを鎮圧するための軍隊が出動。

軍隊は、水兵たちへの見せしめとして無防備な民衆に対して虐殺を行う。


この作品に関する評価は、「共産主義のプロパガンダ映画でありながら、 画期的なモンタージュ技法を発案、確立し、映画を芸術の域まで引き上げた名作」といった形で定着している。

目にするレビュー記事は、必ずといっていいほど、映像技術を褒めながら、思想性を蔑視する構成になっている。

それらは、イデオロギーの名前を挙げておきながら、そのイデオロギーについては何も論じない。

イデオロギーを否定する理由を述べようともせずに、はじめから否定的な立場をとる。

これが共産主義のプロパガンダ映画だとしたら、映画製作者の意図はまさにそこにあるはずなのに、この映画に関する評論はまるで、製作者の意図を無視することが映画鑑賞の正しい方法とでも言っているかのようなものばかり。

プロパガンダ映画ならなおのこと、製作者が伝えようとしていることを吟味しなくてはならないのでは?


蛆虫の沸いた肉を腐っていないと言うことは、間違っている。

無防備な民衆を銃撃することは、間違っている。

資本家の富の独占は、間違っている。

この映画が主張しているそれらは、確かに共産主義的といえるでしょう。

だから何だというのでしょう?

それらの主張は考慮されるまでもなく「はじめから」否定されるべきことだというのでしょうか?


「有名なオデッサの虐殺場面の表現手法は、鑑賞者に効果的に痛みを感じさせる効果を持たせることに成功している映像表現だ」などと書く。

なぜ、そうも他人事として表現するのでしょう。

「私は痛みを感じた。軍の横暴さに怒りを感じた」と書かないのは、一見、自分の政治的立場を述べることを避けているようでありながら、ここで二項対立として描かれる、権力と権力に抗う立場の間で、「私は抗う立場ではない」と暗黙に語っている。


共産主義を嫌う者の目を気にしているのでしょうね。

この映画を褒めることで、共産主義者と思われ偏見を向けられたくないのでしょうね。

だから、支配的な考えに対してだけ、いちいち目配せをする。

この映画を観ても、支配に対して異議を唱えたポチョムキンの水兵たちから、何も学んでいない。


現社会で権力を持った支配的なイデオロギーは、自身をイデオロギーではないと扱う。

イデオロギーではなく、自然で当然なものなのだと扱う。

逆に、権力を持たないイデオロギーは、偏向イデオロギーとして扱う。

主張を吟味する前にまず、「聞く耳を持つな」という命令がに触発される。

ある事例から何が触発されるかは社会権力が規定する。社会権力はまず現実解釈の自由を侵害する。


映画が、イデオロギー主張の道具であってはならないという考えでもいい。

それならば、社会の支配的な偏見に一致したときだけではなく、一貫してそのスタンスをとるべきだ。


たとえば、『ローマの休日』ならば。、

「社会身分制の維持を標榜し、男に盾突かない範囲の女性性を賛美する家父長制プロパガンダ映画ではあるものの、ストーリーテリングの完成された技法が素晴らしい」

こんなふうに評するべきだ。


ところで! そんなことより、いぬかわいいよー! いぬってすてき! わんわん!



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戦艦ポチョムキン

 監督: セルゲイ・エイゼンシュテイン


出演: アレクサンドル・アントーノフ, グレゴリー・アレクサンドロフ, ウラジーミル・バルスキー, ミハイル・ゴモロフ

形式: Black & White

字幕: 日本語

販売元: アイ・ヴィー・シー

DVD発売日: 2003/06/20

時間: 74 分

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