[住まい図鑑]コルゲートパイプの家
■ 建物概要
・住所:愛知県豊橋市
空間構成:楕円形の円柱を横に倒したような建物(高さ6.5m、幅11.72m、奥行8.5m)。1階に居間兼書斎(一部2階まで吹きぬけ)と台所、2階に居間と寝室・バス・トイレなど。
構造建材:厚さ2.7mmのコルゲートパイプ 114枚(亜鉛塗布したもの)
敷地面積:5940㎡
●異様な巨大ドラムカン
この家は小高い丘陵地の木々の向こうに、ゴロンと横たわっている。建っているのではない。まるで、宇宙船が不時着したかのように、巨大なドラムカンが転がっているのだ。その姿はまったく異様で、人の住まいだと知ってはいても、その外観からは人の生活の匂いは感じられなかった。
建築素材のほとんどは鉄で、下水管などに利用されるコルゲートパイプという土木用建材でぐるりと円柱部分をつくり、円柱の断面は鉄板を6角形に折り曲げたパーツを組み合わせてつくっている。
●居心地のいい室内
中は2階層になっていて、玄関を入った1階部分の景色は、外観の異様さとはうらはらに、思いのほか落ち着く生活空間になっている。デザイナーズの椅子をはじめ、外国製の電化製品や照明が、おしゃれで上質な空間をつくる一方で、生活を営むための雑多なものもちゃんとある。
間仕切りも少なく、2階部分は天井がコルゲートパイプむき出しの曲線なので、一般的な家とは大分違うけれど、暖かい空気と落ち着く雰囲気は、やはり人のすまいだからだろう。円柱形ということでサイドの空間がやや使いづらいが、床面を若干高くするなどの工夫をし、端の方まで活用している。
●合理性を追求した結果のカタチ
さて、この住まいが建てられたのは1966年。日本の高度経済成長期にあたり、日本全体が経済の膨張にほぼ盲目的に突き進んでいた時代だ。その中で建てられたこの家は、実は「持続可能」を追求した究極のエコ住宅なのである。この一見、異様な家も、社会のエネルギーシステムや地球における鉄という素材、その日本における流通システムなどを検討してできた、合理的なカタチなのだ。
設計における検討要素例
①最小限の材料で簡単につくる
・50坪程度の広さの家を建てる際、家を円形にすれば四角形の場合と比較して1/3の材料でできる。
・コルゲートパイプという土木用建材は、扱いやすく、素人でもある程度組み立てできる。
→ドラムカン型
②安くて無駄のない素材でつくる
・鉄は地球上にもっとも多い金属のひとつで、入手しやすく比較的安価。
・鉄はリサイクル可能。
→鉄の波状板(コルゲートパイプ)でつくる
●思想をカタチにした、真っ正直な家
その他、断面を覆った蜂の巣模様の鉄格子も、膨張率や強度を検討しながら2年もかけて考えたという。結果としてそれは幾何形体の美しさを持ったのだけれど、意図されたものではない。今の時代に、この土地で、生きるということを、真摯に思考し、計算し、そして、つくった住まいがこの異様な鉄の家。圧倒的な存在感を放ちながら、しっかりと人の生活もある、リアルな家だ。
まるで動物の棲のように、装飾や象徴を意図しない、真っ正直で荒々しい家。そこには、一途で潔い川合健二という人の生き方が表れているのだと思う。
この家は多くの人に衝撃を与え、建築家の石山修武をはじめ、一般の人の間でも、コルゲートパイプを使った建物がつくられている。またそれらの家も紹介してみたい。
●オマケ:川合健二(1913-1996)という人物
この自邸を自ら設計した川合健二という人物は、清酒の菊正宗酒造に就職後、冷蔵庫の販売や、旧東京都庁の設備設計などを手がけたという不思議な経歴の持ち主だ。そして、独自の視点・思想を持つ研究者であり、実践家であった。彼は「専門家」とは違う視点から、物事を多角的に検証・研究し、中でも社会全体における効率的なエネルギーシステムについて、長年追い続けていた。現在でこそ注目される切り口だが、高度経済成長のただ中での彼の先見性には驚かされる。彼を知る人は皆、彼の稀有な才能、人柄を熱く語る。
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Because editor and some problem, I am so sorry to tell writer that it is so late to publish the article on 5/13/09. (I translated the article last year.)
And Itosati's name and Delta-G, the linked URL are on it. See the link:
Web version:http://www.lihpao.com/news/in_p1.php?art_id=30513
Paper:http://blog.roodo.com/honkwun/f2ee0976.jpg
「圖文■ Itosati」、「住宅圖鑑一文出自於日本同志媒體網站DELTAG,經作者授權編譯轉載:http://www.delta-g.org/news/cat49/」
It is my pleasure and honor to translate these very interesting and meaningful article.
Thank you for your help and permission.
For some kind of "「持続可能」を追求した究極のエコ住宅",
I recommend the Taiwan Architect "Hsieh Ying-chun".
Affordable housing meets resistance
http://www.atelier-3.com/2004/2_Concepts/2002.04_Taipei_Times/index.html