「台湾でゲイになれるのは孤児だけ」
【台湾初】トランスジェンダー向けホットラインのエントリで関連記事としてリンクした「Family kills if you don't toe the hard
gender line(TAIPEI TIMES)」の和訳全文をご紹介します(翻訳協力:キリハラ キリ)。
堅牢なる性別というものに従わないと家族はあなたを殺してしまう
By ジョセフィン ホ、クイントン
カオ
2008年8月6日(水)
10年前、台湾のレズビアン&ゲイ・ムーブメントにおける中心人物は嘆きつつ言っていました。「台湾でゲイになれるのは孤児だけだ」と。
台湾のみならず中国圏全体において、「恥になる恐れのある」家庭内の問題は内密にしておくという伝統があります。この伝統が、ゲイの子供に向ける親たちの猛烈な怒りと憎悪として表れています。子供と完全に絶縁して全く無視する人たちさえ存在します。状況によっては、彼らは感情的な脅迫行為を用いて、子供たちに「正常な世界に戻れ」と迫ることさえします。
肉親からの素朴な愛情が絶たれ見放されてしまうと、多くのゲイの人たちは自分自身が欲するものと家族の欲するものの間で身動きが取れなくなってしまいます。そして、長期に渡る落胆状態によって、彼らの多くが抑うつ症に陥りやすくなったり、精神的苦痛を受けやすくなったりします。
多くのトランスジェンダーの人たちが家族から激しい非難を浴びたり、学校では冷笑され村八分にされたりしています。男と女の区別がはっきりと明確にされている世界では、トランスジェンダーの人たちは男女どちらの側にもピッタリと納まることはできません。このことが、トランスジェンダーの人たちの多くを孤児にし、誰にも愛されることなく、いつも侮蔑されるという状況を招いています。彼らがこの世界で成長し生き延びるためには、自分自身を頼りにするということを学ばねばなりません。
彼らは、両親の憎悪の的になり、混乱した状況の問題の核心点とされています。両親たちはトランスジェンダーの人たちの存在すら忌み、彼らは流浪の身で抗鬱剤と睡眠導入剤に頼りつつ人生を漠然と過ごす運命なのだと言っています。苦痛と屈辱が延々と積み重なって、とうとう私たちトランスジェンダーの仲間の一人が、この苦痛を終わらせるために高層マンションから飛び降りました。彼は高い所が苦手であったため、飛び降りる前にタオルで目隠しをしています。これは家族の中において外れ者であった彼の耐え難い状況を痛烈に物語っています。
終わりの見えない絶望を背負って生きる——多くのトランスジェンダーの人たちがこれと同じ道を選んでも、少しも不思議ではありません。自殺の理由は、苦難に対処する能力に欠けているからではなく(一般にはそう信じられていますが)、トランスジェンダーの人たちを受け入れや、彼らの精神的な重荷を軽くする手助けに対する、この世界の頑迷な拒絶にあるのです。彼らが衝動的で感情的だからではなく、この世界が彼らを理解し希望や支持や愛を与えることを拒んでいるからなのです。
台湾には、「血は水より濃い」「両親は常に正しい」というよく知られたことわざがあります。しかしながら、家族の「愛」の冷たさと残酷さがこんなふうに明白になることもあります。——自らが選んだ性によって埋葬されたいというトランスジェンダーの人の遺志を、彼の家族が頑迷にも書き換えてしまいました。私たちの友は人生の最後の段階において、両親からひとかけらの愛も敬意も与えられることなく、出生時の性である女として埋葬されたのです。
大人の頑迷さが若者の心に決して十分に癒すことのできないダメージを与えたり、成人に達することをできなくさせたりしているという結果を招いている事実に親や年長者が気づく前に、いったい何人のトランスジェンダーの若者が死ななければならないのでしょう。
トランスジェンダーの人たちは血縁者からは慰めと支えを見出せないかもしれません。でも台湾のトランスジェンダー・コミュニティのメンバーは彼らを見捨てたりはしません。台湾における初のトランスジェンダーの人たちへの電話相談が今日から運営を開始します。電話番号は02-2394-9008、受付時間は毎水曜の午後7時から午後10時です。無条件の愛を持って、私たちは家族の手にかかって苦しんでいるトランスジェンダーの人たちの心を救い上げるべく努力します。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「台湾でゲイになれるのは孤児だけ」
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.delta-g.org/mt/mt-tb.cgi/571























すごいですね。
ほんと、凄い!
日本においても、「家族」は危険な装置で、いろいろなメンタルな病理の原因となっています。
ただ、家族は、ひとが生活し成長していくための装置でもあるので(だから、危険なのですが)、単純に解体してしまえばいい、なんてことではないのは確か。
家族の機能を維持しつつ、多様性を啓発していく、というあたりまの方法しかないのでしょうね。