消費者と生産者の乖離した現実
[名前はまだない 018]
『おいしいコーヒーの真実』
雨がつづいています。雨は嫌いじゃないけれども、洗濯のタイミングを逸してしまうので、どうもね。一連の家事は貴重なリセット作業ですから。
今回はふぇみんに書いた映画評をお送りします(編集部の承諾を得て掲載しています)。
コーヒー好きに言わせれば、目覚めの1杯がなければ1日がはじまらないらしい。毎日欠かせないものだから、安くておいしいコーヒーを求める。消費者としてはもっとも素朴な心情だろう。
だが、本作品を観ても、世のコーヒー好きは、果たして素朴な消費者のままでいられるだろうか。
コーヒー1杯330円のうち、コーヒー農家に支払われる金額はわずか3〜9円(1〜3%)。輸出業者や地元の貿易会社の利益は23円(7%)、残り298円(90%)はカフェ/小売業者、焙煎業者、輸入業者の利益である。
年間800億ドル以上を計上するコーヒーは石油に次ぐ国際商品だが、大手企業が市場を支配しており、多くの農家が貧困にあえぎ、破産の危機に瀕している。
本作品はドキュメンタリー映像を通じて、この不均衡の謎を探りつづける。コーヒー原産国エチオピアの現実と、コーヒー産業の実態を対比的に描き出し、生産者と消費者の分断を浮き彫りにする。
コーヒー農園を運営するには、苗木から育てて実をつけるまでの最低3年間は無収益だ。しかも、気候の変化の影響をもろに受けるので、収穫量はけっして安定しない。
取引価格はコーヒー大国ブラジルでの収穫量や天候、投機家の変動によって、ニューヨーク商品取引所で決定される。アフリカの小国生産者たちの声は反映されず、1キロあたりたった20円で手放さなければならない。
そのため、かれらの生活は逼迫している。貧困から慢性的な飢餓に苦しみ、病気治療のための病院も、こどもたちが知識を身につけるための学校もなく、より高価で取引されるチャット(麻薬植物)の栽培に切り替えざるをえない。
一方、先進国のコーヒー産業では、さまざまな豆を焙煎・抽出し、風味の審査・ランク付けに余念がない。コーヒーを煎れる職人(バリスタ)の技能を競い合う世界大会では、全人生を賭けた出場者たちが自分の順位に一喜一憂する。生産農家の現実など念頭にないかれらの熱心さは、きわめてオタク的だ。
シアトルのスターバックス1号店店長は、「コーヒー業は地域に密着し、人々とつながる仕事。それがわが社の精神」と笑顔で言うが、同社にコーヒーを供給するシダモ地域の飢餓はとても深刻だ。
ちなみに、主要な多国籍コーヒー会社5社(クラフト・フーズ、ネスレ、P&G、サラ・リー、スターバックス)は、映画の取材には一切応じていない。
コーヒー愛飲者とコーヒー農家の現実は、あまりにも乖離している。
(初出:婦人民主新聞ふぇみん2008年5月25日号)
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100円ショップの安さが発展途上国を搾取する構造に成り立ってると思うと、買う行為に罪悪感を感じますね。買っちゃいますが。
コーヒーはフェアトレードコーヒーをお勧めします。
<ここから転載>
フェアトレードコーヒーって?
フェアトレードとは、生産者と輸入業者が直接取引をすることにより、不当な買い叩きをなくし、生産者に正当な報酬を支払うという公平な貿易のあり方です。
〜フェアトレードコーヒーなら f-coffee
http://f-coffee.net/
フェアトレードコーヒーのパッケージに、「毎朝のコーヒーが世界を変える」ってコピーが書いてます。
もっと詳しい説明、「輸送トラックを共同で購入したり、教育や福祉など地域全体に役立つプロジェクトに取り組んでいます」などなど、この商品のパッケージに書いてます↓
デカフェ(粉)ペルー産*仕様変更 200g - リマの通販
http://shop.lima.co.jp/Products.1068.aspx
(カフェイン無しでお勧めです。ボク、業者ではありません、消費者です。念のため。)
最初、フェアトレードコーヒーは高いな〜って、抵抗感じたんだけど、、、でも、これは貧しい人への寄付やボランティアではないんですね。
商品以上の募金を上乗せされてるのならイヤだけど、自分が買うものに対する正当な代価なんだから、納得して払えます。
あと、ハワイアンコナコーヒーも好きです。ブルーマウンテンと並ぶ高級品らしいですが、高い理由は品質が高いからではなく、ハワイの人件費が高いからだそうです。
それって、質と値段が比例しないってコトで、だったら安くておいしいのを買いたくなりますが、安いコーヒー豆にはそんなカラクリがあるんですね。。。
ちゃんさま
コメントありがとうございます。
「よいものを安く!」というのは売り手買い手双方の理想とするところですが、作り手を逼迫させることなく、という条件が守られればさらによいですね。
情報ありがとうございます。わたしはコーヒーの味も香りも嫌いではないのだけれど、飲むとかえって喉が渇くので要チェイサーです。最近のお気に入りは京都のイノダコーヒ。
http://www.inoda-coffee.co.jp/
フェア・トレードのコーヒーだったら、ここのも美味しかったですよ。ネパリ・バザーロというフェア・トレード団体(http://nbazaro.org/indexj.htm)のオンライン・ショップ「ベルダ」(http://dp00000118.shop-pro.jp/)のコーヒー。横浜・本郷台にショップもあるそうなのでお近くの人はどうぞ。(って、私はこの団体とは特に関係はないのですが。コーヒー、美味しかったので。)