2009年日本女性学会大会レポート(かなり手抜き)
[名前はまだない 030]
画像は、ppp(project
of the personal is political)メンバーが今年3月に創刊したフェミ雑誌「marge(マージ)」の表紙。販売所や入手方法は不明。しかも残部わずかと聞く。
2009年6月27日(土)13:00〜14:40
パネル分科会(1)
同性間パートナーシップに関する諸問題
堀江有里さんの「日本における『同性婚』の<困難> 戸籍制度/天皇制への抵抗運動との連帯に向けて」の報告が聞きたかったのに、大幅に遅刻。後にレジュメを入手(これは後でゆっくり読む)。発表を聞いて驚いたのは、法律上の「非婚」を選択し、子どもに戸籍をつくらないという抵抗運動があるということ。すでにつくられてしまった戸籍をなくすことはできないが、最初からつくらずにおくことはできるのだそうだ(パスポートの発行には戸籍が必要だが、必要になったときや、子ども自身の意志でつくりたいと思えばいつでもつくれるとのこと)。
女性学の分野で戸籍制度や天皇制についての研究者がいるという話はあまり聞かない(運動の分野には活動団体がいくつかある)。また、今回の発表について、ほかの研究者のかたがたから、「同性婚と戸籍制度は別問題」と指摘されたこともあり、堀江さんは、「なんだかアジりに来たみたいですよね」と自嘲気味に語っていた。しかし、フェミニストのレズビアンからは、「婚姻制度はそもそも戸籍制度を前提としているのだし、日本で同性婚制度ができるとすれば、異性間の婚姻制度に準拠せざるを得ないだろうから、積極的に賛成できない」とする声を聞くことがある。
ちなみに、以下はご本人の報告。今回の発表のかなり重要な背景について書かれている。
2009年6月27日(土)14:50〜16:30
第3分科会
山崎明子さん、瀬山紀子さん、水島希さんの「指定管理化される女性センター その過渡期的分析」が面白かった。現在、公設の女性センター(男女共同・平等参画センター)では指定管理化(要するにNPO法人などへの丸投げ)が進められており、メイン事業の啓発講座がただの毒にも薬にもならないカルチャーセンター化しているとの指摘がなされた。「男の料理教室」だとか、健康講座として「口腔ケア講座」が開かれたりして、「それのどこが男女共同参画なの?」という感じ。
同じ時間帯に、パネル分科会(2)として、石田仁さん、風間孝さん、 河口和也さんの発表が行われた。なかでも河口さんは、「日本の地方都市に住む一人のレズビアンの生活事例」を発表。詳細なレポートが資料として配布されたので、これもあとでゆっくり読むことにする。
***
このあと懇親会に参加したのだが、タバコ組はそろって建物の玄関先の階段にたむろ。しかも会場からビールやワインを持ち出してラッパ飲み。お茶大の学生さんだってここまでマナーは悪くないはず。アラフォーの研究者さんたちが地べたに座り込んでだべっている姿は一種異様だったと思うが、大会の事務雑用バイトで来ていたM3の学生さんは、「こうやってお茶大をクィアするのってすてきだと思う!」と喜んでいた。
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2009年6月28日(土)09:30〜12:00
ワークショップ(2)
「ジェンダーフリー」「バックラッシュ」を再考する
これについてはすでに何人かのかたがたがネットで報告を行っている。
日本女性学会ワークショップ『「ジェンダーフリー」と「バックラッシュ」を再考する』をふりかえって(ふぇみにすとの論考)
日本女性学会のワークショップ:「ジェンダーフリー」「バックラッシュ」を再考する:に行ってきた(c
plus M)
『ジェンダーフリー』がなかったら何もできなかったの? 違うでしょ?(frogonair_blog)
これらを読むだけでもうお腹いっぱいかも。
補足するとしたら、3人のコーディネーターがプレ研究会から延々時間と手間をかけて報告したことへのストレートな応答はまったくなかったのに、フロアを交えての議論となった際、飯野由里子さんがお三方の主張の要旨をまとめて問い返した(女性学において、ジェンダーフリー概念についての検証が行われてきたかどうか?)ところ、登壇した発言者のみなさんはメモを取りはじめ、「そこは確かに問題ですね」みたいな素直な反応がみられたのには驚いた。3人のコーディネーターはこれまでそこを問うてきたのにね。これってやっぱり山口さんおっしゃるところの「作法」の問題なんだろうか。「批判モード」ではなく「おうかがいモード」をとらないと胸襟を開いてくださらないセンシティブなかたがたなんでしょうね、と。
*おまけ*
水島さんとは「フェミな漫画・アニメ」の話でおおいに盛り上がった。「鋼の錬金術師」を強く薦められた(作者の荒川弘さんは女性なんですってね)。お返しに「はやて×ブレード」と「羣青(ぐんじょう)」をお薦めした。
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ご紹介ありがとうございます。
「戸籍を作らずにおくこと」についてですが、”できる”というよりは、正確には、かなり面倒な状況でありつつも交渉を重ねた、その結果”勝ち取った”ということになるかと思います。
就籍は法的に「義務」づけられているから、故意につくらなかった場合、あとでつくろうとすることも、かなり厄介なことになるのだろうと思います。つまり、「簡単には」つくることはできない、のでしょうね。このあたり、もうちょっと調べなきゃ、です。お邪魔しました~。(ホリエユリ)
ワークショップ&プレ研究会ともにご参加いただきありがとうございました。結局、じっくりお話する機会がもてずじまいで、残念でした。
飯野さんとコーディネーター3名へのレスポンスの違いには、もちろん「作法」のコーディネーター側の「悪さ」も問題なのだろうけれど、それと同時に「内部」の人か、「外部」扱いか、ってのも影響してるんだろうなあと思ったりしました。私もいちおう会員ではあるのだけれど、やっぱりあの空間では「外部」扱いなんですよねー。で、「外からくる攻撃から防御」モードにはいってしまうのだろうかなあと。
>Yu-uさま
コメントありがとうございます。
「できる」とだけ言ってしまうと、確かに「簡単」であるかのような印象を与えますよね。しかし、わたしは戸籍をつくらないことが「不可能」と思っていたので(その思い込みも結局制度に馴致させられてるからじゃねーのと思いますが)、「できる」ことを知ってすんごく驚きました。そのためだけに子ども産んじゃおうかなーなんて思ったりして(嘘です、ごめんなさい)。
>yamtomさま
たいへんおつかれさまでございました。こちらこそお声すらかけられず失礼いたしました。
IH氏の「山口さんはフェミニズムをわかっていない(誤解している)」発言の根拠はいまだに薮の中という感じですがw、ワークショップ発言者のかたがたが山口さんらコーディネーターを「外部」に押しやるそもそもの要因が、「作法」の「悪さ」にあるのではないかとも思います。とりあえず、個々の研究者のかたがたの功績に敬意を表して、そのうえでの批判という手順(作法)を踏まないと、「なんだあいつら偉そうに!」というように、研究者ポジションから離れた感情的反発を招いてしまうのではないでしょうかね。上げ膳されないとヘソまげちゃうあなたたちの「偉さ」はなんなよ、って感じですけど。
もちろん、批判を届かせるためにそのような「作法」に乗っかることにも問題はあると思います。