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ナベシャツは 上げない寄せない ブラジャーです

2010年1月27日 08:29 ミヤマアキラ
Jennifer Zwick - Hello, 2007.jpg

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【メーカー別】着心地チェック【当社比】

 

ナベシャツメーカー有名どころ(とミヤマが認識している)3社製品それぞれの着心地をチェックしました。自前で買ったのでメーカー名も出すし、製品のつくりや良し悪し、費用対効果などなど、容赦なくコメントしますよ(あくまでも当社比ですが)! いままでナベシャツを買ったことがない(どれを買えばいいかわからない)、いま着ているシャツはどうも体にフィットしないなどのお悩みをお持ちのかたの参考になると幸いです。


1●洋服のオカ

当サイトで早々と紹介したのが、「洋服のオカ」のナベシャツ(当時の取材レポートはこちら)。ここの特徴はすべてオーダーメイド(注文の際にサイズを明記)、前開きで「上から下に」閉じる式のファスナータイプ。綿100%だと伸縮性がないため、採寸ミスはかなり痛いはず。ミヤマは取材を兼ねて岡さんに直接採寸していただいたので、体にしっかりフィットしたシャツをつくっていただいた。採寸・注文から1週間ほどで届いたように記憶している。

 

久しぶりにサイトを見ると新たにメッシュ製品が増えているが、わたしが購入したのは綿100%の短寸で、黒1着、迷彩2着。料金は3枚で15,750円プラス「背のデザイン」@300円×3着で、合計16,650円。1着あたりの金額は5,550円。

 

初めて着たときはなかなか感動的だった。もうこれで人目を気にして猫背になったりしなくてもいいんだ! 「おっぱいのあるおっさん」みたいにならないですむんだ! なーんてね。しかし、着てから時間が経つにつれ、(ご飯食べたりすると)おろしたはずのファスナーがだんだんせり上がってくるので、そのたびにいちいちおろさなければならない。ときと場合によってはそのまま放置せざるをえず、ナベシャツを着はじめる前よりもかえって胸(だけでなく腹も!)が気になるようになってしまった。

 

▼メリット

綿は吸湿性と保温性に優れているため、夏涼しくて冬温かいという一粒で二度美味しいメリットがある。伸縮性がないということは、型くずれしにくく、丈夫で長持ちするということ。購入から約1年半(200711月〜2009年6月)にわたって連続着用したが、ファスナー部分の塗装が剥げただけで、布地の傷みはほとんどない。

 

▼デメリット

伸縮性のなさが仇になり、体型の変化には対応しない。先述したとおり、「上から下に」おろす式のファスナーはミヤマのようなおデブには不便。短寸だとへそ上あたりでファスナーがストップしていて、ファスナーが開かないようにする留め具もないため(自分でつけりゃいいんだろうけど面倒くさい)、ちょっと腹に力を入れるとすぐファスナーが開いてくる。長寸ならズボンのベルトで抑えるなどして防げるかもしれないが、食後にも同じ締めつけを味わうのはかなりキツいんじゃないかと思う。

 

【教訓】

おデブは短寸より長寸を選ぶべし。お痩せさんにとってはこれがもっともリーズナブルかつカンファタブルかもしれないが、おデブにならないよう気をつけろ。

 

 

2●アジアンドラッグ/LAUXES(ローゼス)

こちらもなかなかの老舗。新宿にフィッティングルームがあるので、アクセス可能なかたはぜひとも試着してからの購入検討をおすすめする(このページのいちばん下に連絡先があるので要問い合わせ)。試着が難しい場合は、サイズ早見表を見ながら自分に合ったサイズをしっかりチェックすべし。


ミヤマが試着したのはメッシュ(ナイロン)素材でできた旧タイプのタンクトップ半袖Tシャツタイプ。後者はナベシャツとTシャツの2重構造で、冬場に着るにしてもちょっとかさばる感じがしたので、前者のMサイズを2枚(黒とベージュ)購入。胸部のメッシュは厚みがあって押さえが強いが、みぞおちから下は比較的薄手のメッシュになっていて、締めつけもさほど強くない。よほど食べ過ぎなければ腹部がきつく苦しくなることはない(よほどの食べ過ぎはもうすでにナベシャツのせいではない)。


郵送だと1枚9,240円だが、直接事業部に買いにいけば9,000円。しかも、1枚多く買うごとに1,000円引きになる(サイズ・種類問わず)ので、共同購入なんかしちゃうとかなりお得。今回は1枚あたり8,500円也。

 

強力メッシュ製のかぶり式なので、新品のうちは着脱にかなり苦労した。試着に行けばスタッフさんが丁寧にレクチャーしてくれるし、郵送の場合にも図入りの説明書きが添えられてくるので、さほど心配はない。1週間も着つづければたいていのひとは慣れると思う。着心地は、かなりきつめの水着を着ている感覚。苦しいひとには苦しいかもしれないが、慣れればこれはこれで快適/快感。BDSMのラバーフェチの気分がわからなくもない。腹部のメッシュは薄いので、へそが透けて見える。そんな自分の姿を鏡に映すと、セクシーを通り越してほぼ危険人物。全身タイツが下着代わりみたいな、女装してんだか男装してんだかわけわからんくなるので、この状態で鏡を直視するのは素人にはおすすめしない。

 

オカでは乳房を「寄せて下げる」とレクチャーされたが、アジドラでは「両脇に開いて下げる」と言われた。確かに後者のほうがより自然なフォルムになる。もうひとつのポイントは、シャツ全体を下げすぎないこと。なるべく胸がぺたんこになるようにシャツの裾を引っ張って着るひとが多いらしいが、最後の仕上げとして、両肩のストラップ部分および脇部分を少し上に引っ張るのがポイント。肩こりの予防にもなるし、スタッフさんいわく、「よほどスリムでないかぎり、男性でも胸のふくらみがないひとはいません」とのこと。それは確かにそのとおり。

 

▼メリット

おデブにとって、腹を気にしなくてすむのはなによりのメリット。着脱さえ慣れればこんな楽なことはない。新作ナベシャツXtenの解説ページに「従来品の問題として、お客様の体型によってはナベシャツに慣れるまで脇への当たりが強すぎるという声を伺うことがありました」とあるが、幸いなことにミヤマは脇の痛みを感じることはなかった。また、メッシュ素材の良いところは、洗濯してすぐ乾きやすい点だ。

 

▼デメリット

主にメッシュ素材のデメリットを述べることになるが、思った以上に生地の劣化が速い。スタッフさんは、「1着を毎日着て洗って干してを繰り返すという設定だと、もって半年です」と言っていたので、2着をローテーションで着回せば1年くらいはもつかと思っていたが、なんと半年後にはゴムの繊維がプチプチ切れだし、締めつけがゆるくなってきた。

 

前述したとおり、アジドラのナベシャツは胸の部分と腹の部分で生地の切り返しがあるが、この切り返しがかえって胸のふくらみを強調する結果になってしまう(成形具合によってはマッチョな胸筋に見えないこともないが)。

 

また、ストラップ部分を持ち上げて肩の押さえつけをなくしても、なぜか肩こり感がある。洋服のオカのナベシャツは、ファスナーが開いてくる点以外、着心地の悪さを感じたことはない。あと、メッシュは通気性がいいとのことだが、胸の谷間に溜まった汗は逃がしてくれない(ミヤマが人並み以上に汗かきなせいでもある)。

 

【教訓】

このタイプを長く着回すなら10枚まとめて大人買いしろ(1枚あたり8,100円と、よりリーズナブル)。

 

 

3●トランス本舗

こちらのメーカーの商品名はトラシャツ。標準的なサイズ指定によるオーダーメイドで、サイズが多少合わない場合は1回のみ調整可とのこと(明らかにサイズが合わない場合は交換可。ただし期限付き)。ストレッチ素材使用なので、実際より小さめ寄りのサイズでオーダーするのが無難と思われる。

 

ミヤマが注文したのは、トラシャツストレッチ黒(リンク先は白)7,800円とトラシャツオープンストレッチ9,500円、サイズはいずれもM。トータル17,300+送料500円で17,800円。どちらも前身ごろは綿100%、後ろ身ごろはメッシュ(ポリエステル)素材という、オカとアジドラを足して2で割ったようなつくり。両者の違いは右脇に下げおろしタイプのファスナーがついているかついていないかだけ。

 

伸縮するのは後ろ半分だけなので、一瞬、着にくいかなーと思ったが、アジドラのナベシャツを着たことがあればオープンタイプでなくても難なく着られる。ただし、オープンストレッチのほうは脱ぐのが圧倒的に楽。もちろんファスナーを閉めたままより開けたほうが楽に体を通せるが、おデブの場合はファスナーをおろすのに一苦労(ただでさえ体の脇のファスナーを扱うのってけっこう難しいのに、ファスナーの両脇を絞りつつおろすのはさらに難易度の高い作業である)。

 

▼メリット

切り返しのない一枚布の前身ごろが胸と腹を同圧力で押え込む感じは悪くない。いままでにない着心地感である。脇(腕の付け根の内側)から胸への盛り上がりが、伸縮しない綿生地によってしっかり押え込まれ、少し突っ張るくらいになるが、マッチョな胸筋にならずにすむ。また、季節に関係なく腹が冷えやすいミヤマにとって、前面がしっかりした綿生地で守られているのは心強い。オールメッシュだと冬場にはそのうえにもう1枚アンダーウェアを着なければ心細いのだが、トラシャツは保温性が高いので1枚でも安心。

 

▼デメリット

初めて着たとき、身ごろの合わせ部分から「プチッ」という音を聞いて冷や汗をかいた。二度目以降は聞かないが、丁寧に着脱しないと合わせ部分からほつれて穴が開くなどして使い物にならなくなりそうな予感。そして、背中側のメッシュ生地の思わぬところに突っ張ったようなシワが寄る。それがちょっと不快といえば不快。気にしなければ気にならない。

 

しかし、時間が経つと脇の背中寄りの部分にメッシュ生地が食い込んで痛くなってくる。これはかなり気になる(つうか痛い)。もう少し脇ぐりを深くするなどして構造を修正したほうが食い込みを防げるのではないだろうか。いまは冬場だからいいが、夏場に着ると汗でこすれて皮膚が確実にかぶれると思う。このままではわたしの体型にはぴたっとフィットしない気がする(特に上半身デブなので)。

 

【教訓】

脇の痛みさえ改善されればナベシャツより機能性が高くリーズナブルかも。

 

関係ないけどトラホンさん、シャツ2枚にしてはやけに大きい包みだと思ったら、一緒に大量のお菓子を送ってくれました(すべての注文客に行われるサービスかどうかは不明)。ありがとうございます! 美味しくいただきました。


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★これからナベシャツを買おうかと検討しているかたへ

ナベシャツを着ればそれ以前より胸を気にしなくてもよくなるのだけれど、ナベシャツを買うために自分のスリーサイズ系を測らなければならないというのは、身体違和感の強いひとにはしんどい作業かもしれない。だからといっていい加減に測定したり、測定せずに目見当や憶測で数値を決めてしまうと、サイズの合わないものが届いて二度手間になったり、「もういいや」と諦めてしまうことにもなりかねない。決して安い買い物ではないので、サイズ測定は慎重にね!

 

その前に、ナベシャツは万能のミラクルツールではない、ナベシャツひとつで人生バラ色になるほど世のなかは単純ではない、ということをあらかじめ押さえておいたほうがいいと思う。メーカーさんはそれぞれ工夫を凝らしてつくっているので、自信をもってその製品の良い部分をアピールするけれども、体型や胸の形状、大きさ、姿勢や動きなどの体癖など、個々のユーザーの特徴の違いによって、(サイズとは別の)合う合わないの問題は少なからず出てくるはず。ひとつ満足すれば別の要求が生まれることもあるし。そこはわきまえておこうね。

 

いずれにせよ体を締め付けるものなので、まるでなにも身につけていないかのような楽ちん感はけっしてない(そんな都合のいい商品はないです)。ブラジャーだってそうでしょ。どのブラジャーが「よりマシか」という程度の差があるだけで、すべての面においてパーフェクトなものはまず存在しない。ナベシャツも同じ。1社だけ試してみてがっかりしたり諦めたりするのは早すぎる。何度も書いているように、決して安価ではないからそんなにぽんぽん気前よく買えない、というのはよくわかる。でもね、特殊なブラジャーは高いんですよ。マーケットも小さいから大量生産で安く供給することも、いまのままではできないの(たぶんこの先もずっとできないと思うけど)。「高いから無理」で諦められるひとは、最初からナベシャツには手を出さないほうがいいと思うの。

 

それと、寝るときもずっと着たままでいるのはおすすめしない。単純に寝苦しいし、血行が良くないし、身体へのストレスを発散させる時間をつくりませう。ナベシャツの伸縮性が速く失われることにもなるし。それと合わせて、年齢問わず成長期のかたは、サイズが合わなくなったらケチったり面倒くさがったりせず新調してください。肋骨まわりの成長を阻害することのないようにね。


もうひとつ、郵送をめぐる心配ごとについて。メーカーさんも送り元の名称や品名を当たり障りのないものにするなどして、ユーザーの事情に深く配慮しているので、荷物が届くぶんにはそれで問題ないひとは、余計な心配をする必要はないと思う。けれども、ほかの家族に(ナベシャツが郵送されてきたことを)詮索されるのではないかと心配な実家暮らしの(もしくはほかのひとたちと共同生活している)ひとには、届け先住所を最寄りの郵便局留にしてもらって、そこで受け取るという方法がおすすめかも。荷物が届く頃合いを見計らって、本人確認できる身分証と印鑑(もしくはサイン)を局の受付に提示すれば、自分宛の荷物を受け取ることができる。働いているひとは職場に送ってもらうとかね(詮索されずにすむ環境であれば)。



■まとめ

オカ→アジドラ→トラホンの順に購入したのは単なる偶然だが、結果的には正解だったと思う。今後もさまざまなナベシャツを少しずつ取り寄せて、その日の気分やファッションによって「今日はどのブラにしようかしら♪」と楽しく選べるようバリエーションを増やしていきたい。

 

ナベシャツはいまやFtMトランスやボーイッシュ・レズビアンの専有物ではない(もともとだれもそんなこと言ってないか)。たとえば、お手軽なところでは男装用アイテム 胸つぶしサポーターコスプレ男装用インナーなどがある。いいじゃないですか、こういうところからもナベシャツ文化が広まっていくのもアリでしょう。最初は安く手軽に入手できるもので週末レイヤーやプチ男装を楽しみ、そのうち「これではなんだか物足りない!」と思うようになって、より本格的なナベシャツに手を出し、いつしかそれなしでは生きられないナベシャツ・ジャンキーに育っていくかもしれないのだ(無理矢理)。

 

というか、ミヤマ自身がナベシャツ・ジャンキーになりつつあるのだが、『平成オトコ塾—悩める男子のための全6章』の著者である渋谷知美さんが、「日本女性のなかではいちばん包茎に詳しいと自負しています」とおっしゃったように、わたしも「ナベシャツについてはいちばん詳しい」と自負できるよう実証研究をつづけていきたいと思う。

 

というわけで、「こんなメーカーもあるよ」という情報や「ここのメーカーの商品もレポートしてほしい」などのご要望があればぜひお気軽にコメントください(ご要望にお応えするかどうかは別ですが)。

 

 

*注*

「ナベシャツ」はアジアンドラッグの登録商標だが、「ウォークマン」が商品名であるとともにそのまま一般名詞としても広く使われているように、ここでは一般名詞としても使わせていただいた。

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